タラとの出会い
久しぶりに大型の台風が沖縄に近づいてきた9月のある日、とある県営住宅の工事現場に一匹の子犬が迷い込んで来ました。ねこを一回り大きくしたくらいの大きさの白い子犬は周りに愛嬌を振りまきながら食べ物をねだっていました。
現場監督さんがチョコレートをあげたのをきっかけに現場の事務所から離れなくなってしまい、現場内をうろつくと危ないので追い出そうとするけど戻ってきてしまう始末。
現場も台風対策が終わり皆帰るときになってもその子犬は事務所の建物から離れません。
天気予報によると今夜台風が再接近するため今夜は厳重な警戒が必要との事で、こまった現場の監理人は現場事務所の警備員さんに一晩現場事務所で預かってもらう事にしました。
事務所に来た頃の「タラ」、落ち着かない様子でした。
これが「タラ」と飼い主の初めての出会いでした。その日から「タラ」は工事現場の事務所で飼われる事になりました。
環境に慣れ始めた頃からやんちゃぶりを発揮してました。
工事現場では「タラ」人気者になりました。怖い顔の職人さんがニコニコ顔で「タラ」弁当を分けてくれたり、現場に来る弁当屋さんの家にお泊りに行ったり、役所の人が来ても彼女なりに尻尾を振りながら接待していました。
がぶ~!なんか食わせろワン!
短い期間ではあったけどいろいろな現場関係者に可愛がられながら「タラ」は少しずつ大きくなり、工事現場も建物の完成を迎えました。工事が終了すると現場事務所はなくなってしまい、「タラ」の住む場所が無くなってしまいます。飼い主は「タラ」を飼いたいのですがアパート住まいのため、犬を飼う事は出来ません。飼い主は迷った末にアパートに連れて帰る決心をします。
「タラ」と飼い主との生活がスタートしたのであります。
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